2010年01月27日

庭園美術館 マッキアイオーリ

【イタリアの印象派 マッキアイオーリ】

場所:東京都庭園美術館(港区白銀台)
会期:2010年1月16日〜3月14日

東京都庭園美術館は建物自体が貴重なもので、目黒の都会のど真ん中にあるにも関わらずその名の通り庭園のおかげで静寂を味わえる空間です。展覧会の内容だけでなく、アールデコの室内装飾や景色も楽しめるとても良い美術館で、昔からのお気に入りです。

http://www.teien-art-museum.ne.jp/index.html

今回はイタリア統一運動のまっただ中に活躍した主に油彩を中心にした展覧会です。

まずいきなり美術館に文句を(一言お願いしてきました):証明が酷すぎるちっ(怒った顔)
ほとんどの絵に額縁の影が非常に濃く映り込んでいて絵を損なっています。絵そのものが大きなものはほとんどなく、光が中心的なテーマなので、絵の中で明暗を印象的に扱っていることを考えると、驚くべき無神経さだと思います。もっと柔らかな光の中で見たら作品の中の陰影がずっと印象的になり栄えたことでしょう。

マッキアイオーリと言う言葉は「染み」という言葉に由来しています。それを知っているとどうしてもスーラを代表とする点描法を思い描いてしまうのですが、それは全く違います。下地に技術的に行かされているそうですが、鑑賞者にとっては全く点描方とは無縁に思えます。macchiaioloを辞書で引くと「マッキアヨーリ(19世紀フィレンツェの色斑画報による革新的な芸術運動に属する画家)」と書いてあります。がさらに「(低木地帯)の住民」と「パルチザン地下活動の隊員」とあって、画家たちの多くがイタリア統一運動に参加したり従軍して命を落としたりしたことを思い出させます。
さらに「染みを付ける」という意味から「家名を汚す」とか「無法者」などの使用法もあり、貴族的な画題から庶民、下層階級の人々を描いた、絵の内容をさしているとも思えます。

その辺を考えると「イタリアの印象派」というのですが、旧態然としたアカデミズムに異議を申し立てたという意外には、本家フランスの印象派とは内容がまるで違うように思います。

正直に言って芸術作品としては一般に言われている印象派(フランス人以外にさまざまな国籍の人が属する)には名作、優品がやはり多いといわざるを得ません。がイタリアらしさ、統一運動という歴史を知る上での貴重な証言といえるのでしょう。中には現在の町並みと全く違わないと思える風景がありますが、解説になくて残念だったのは何気ない風景の中に「投票せよ!」という落書きが掛かれていることです。描き方だけでなく作家の主張を伝えるべきではないでしょうか?

個人的にはサン・ミニアート・アル・モンテ(フィレンツェのロマネスク教会)の改修以前の姿と、ルネサンスのフィレンツェの一コマを描いた作品群です。

http://www.settemuse.it/arte/corrente_macchiaioli.htm

イタリアのマッキアイオーリに関する頁です。


posted by Gianmaria at 11:44| 東京 晴れ| 美術館 musei e pinacoteche | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする