2009年09月22日

ベルギー幻想美術館 Bunkamura

http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/shosai_09_belgium.html
想像していたよりずっと良い展覧会でした。

理由は簡単。
デルヴォー、マグリット、ロップスばかりだったら、別に行かなくてもいいかって感じでした。あまりにも有名だし、今までに出版物(勿論現物とは違いますが、マグリットなんかは出版物との差が小さい作家ですし)も幾らでも出てるし、作品も何度も来ているし、、、ね。

私が行きたいと思った理由は、William Degouve De Nuncques=ウィリアム・ドグーヴ・ド・ヌンクの作品をチラシで見たからです。もっとあるのかと思ったらたった一点だったのが残念ですが、その一点はとても面白い作品でした。

凄く暗い小さな絵で、床や噴水の遠近法がめちゃくちゃ、抜群の不安定感が「夜の中庭あるいは陰謀」という内容を盛り上げます。

ダンテの話の時にどこかで見たことのあるデルヴィルの作品。
巨大な絵ですが全体に淡い色調の中、ダンテのかぶり物だけが明度がまるで違い、現実と非現実の彼のおかれた状態を思い起こさせ、意味深い。

意表を突いてきたのがジョルジュ・ミンヌの「墓所に立てる三人の聖女」で、19世紀〜20世紀の作品展に来ていることを忘れさせた。
これは中世美術をやっているのもなら誰でも知っている、極めて印象深い「フィリップ・ポーの墓」を想い出さずにはいられない作品だからだ。ルーブルにある作者不明の15世紀の作品だ。どうしたってコピー?と言いたくなるほど、彼があの作品を好きなのが伝わって感動した。

レオン・フレデリックは知らない作家で、それほど特徴的ではないが、よく観るとなかなか面白い作品だ。「聖フランチェスコ」はやはり、今度は時代の近いロマン派のフリードリッヒを想い出す。

スピアールトは「磔刑のキリストと煉獄」という内容と表現の仕方が変わっていて、是非講義で使いたい作品。

ファブリもたった一点だが、印象深い。現代の不安に直接繋がる、1892年という制作年代を考えるととても新しさを感じる作品。

ロップス、クノップフ、デルヴォーあたりは「世紀末」「エロス」テーマの俗で分かりやすい作品で、ファンが多いのは分かるが、、、。

なんと言っても今回最高だったのが、アンソールの版画群だ。
世紀末美術、ベルギー美術といえば必ず一枚は入っているが、たいてい油で、仮面を付けた群衆の怖い作品、「キリストの生涯」32点は、お金持ちだったら買ってるよーーーーーーーーーーっ!!
烏合の衆をはじき飛ばしながらどんっ(衝撃)ヒョーーーーーーーーーッと昇天するキリストは忘れられない。

今回の展覧会は、急遽だったのでカタログもなく、絵はがきもない始末、その上、解説やタイトルの翻訳に酷く納得がいかないモノがあって???だったが、最近行った展開で最も心躍る内容だった。揺れるハート
posted by Gianmaria at 10:59| 東京 曇り| Comment(0) | 美術館 musei e pinacoteche | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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