配給:ワーナー・インディペンデント
監督: リチャード・リンクレイター
出演: キアヌ・リーブス, ウィノナ・ライダー
5星が付けたいくらいです。
フィリップ K ディックは学生時代に読みふけった大好きな作家で、亡くなったときには特別な思いがあった。
あまりに好きだったから、オリジナルのサンリオSFシリーズ、早川SF、そしてその後の翻訳、短いモノは原語でと、同じ作品を何度も読んだりした。当然翻訳が出ている作品は全て読んだ。
そのときに、翻訳によって受ける印象がいかに違うか痛感した。こっちの訳で読んだから感動したけれど、最初にこっちで読んでいたら、特に印象的ではなかったのではないか?と言う具合に。
それが映画化となれば、さらなる違いがあるのは当然だけれど、『ブレードランナー』(原作は『電気羊は夢を見るのか』)、『マイノリティー・レポート』と雰囲気が違うとか言う問題ではなく、終わり方が違って、言いたいことが逆転していたりして本当に驚いた。
でもこの『スキャナー・ダークリー』は私の持っているサンリオ版『暗闇のスキャナー』に圧倒的に近い。
原作を読んだ当時を見事に思い出して感動した。ディックファンなら気に入る映画ではないか。
反対に、メジャーなキアヌ・リーブスファンには腹立たしい映画だと思う。全編実写にアニメをかぶせてあり、直にキアヌが見られることは一度もない。キアヌは「強くていい男」っていうおきまりのヒーロー役だけでなく、駄目役や馬鹿役もやっていて、それが良い味出してる。
進化した麻薬(覚醒剤など翻訳には困ると思う)Dに犯されてだめだめになっていく、救いようのない悲しい主人公をとても好演している。主観的には「マトリックス」とどっちがかっこいいか分からないほどだ。
『裸のランチ』『アサイラム・ピース』他、小説群を想い出す。
特に、自分に虫がたかり、いくらでもわき出てくる最初のシーンは、ピンクフロイドのヴィデオが最も印象的に表現している。
選挙と共に見せられ続けたノリピー覚醒剤ニュースを真剣に考えるのに、グッドタイミングだった。
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